2020年5月5日火曜日

稽古について

私は、合気道の稽古の効果の一つは、「問題解決の方法の訓練」だと思っています。

合気道の技を行うためには、まず手順を覚えなければいけません。皆さん技を見て、何回も投げ、投げられて順序を覚えます。しかし手順を覚えたのに、どこか上手くいかないことを感じることが多いでしょう。稽古の後に考えたり、指導者や先輩から助言をもらうと、さまざまな原因が明らかになります。「身体がふらついている。力みすぎている。姿勢が悪くなっている。間合いが悪い。などなど・・。」ここで「自分はダメだ。」などと悲観しないで下さい。修行者はみな完璧ではありません。技が上手くいかないのは、自分自身の能力が根本的に欠けているというわけでは絶対に無いと私は思っています。そうであるならば、稽古をして努力する意味は、無くなってしまいます。

 合気道に限らず、初めから自分の思い通りに何でもできることは何一つとしてありません。上手くいかないのは、いくつかの原因があるだけです。そのひとつひとつを丁寧に解決していけば、必ず技は向上していきます。その道筋を私たちは稽古から学んでいるのです。

問題解決の方法はとても単純です。
①現状の把握
②原因の特定
③解決策を考え実行する。

稽古に当てはめると
①「技の際にふらつく」
②「下肢の筋力が弱い」
③「下肢の筋力強化の為、基本動作の練習を増やす」
といった感じです。

この訓練はあらゆる社会生活の向上にも役立てることが出来ます。一般部はもちろん少年部でもこのような訓練を小さい頃から行うことによって、問題解決に対して逃げずに向っていく心構えが育成されます。
私はこのように合気道の稽古を続けていきたいと考えています。